僕が旅に出る理由
僕が旅に出る理由。
それは思い返してみると、10歳の頃にまで遡ります。
両親に新品のママチャリをプレゼントしてもらい、隣の町まで自転車を漕いだことがきっかけだったのではないかと思います。
真夏の猛暑のなか、必死にペダルを漕ぎました。そして、隣町の標識を超えたときのあの感覚。なんだか一歩成長した。自分が少しだけ大人に近づいたかのような感覚でした。
これが私にとっての初めての「旅」だったのではないかと思います。
幼少期から高校まで野球に打ち込んでいた僕は、旅とは全く無縁の生活でした。完全にフリーな時間も少ないし、地元の福岡を出ることすら滅多にない。
大学生になって初めて海外に一人旅をすることになりました。
海外に行くと、10歳の頃に自転車で隣町まで行った経験を思い出します。
入国審査官が繰り出す質問に応え、スタンプがもらえた時のあの感覚。隣町の標識を超えた時の感覚にかなり似ています。一歩大人に近づいた。自分の存在が認められた。
そして、新しい土地に踏み入れた僕を待ち受ける冒険、試練、出会いの数々。
この感覚がたまらなくて、僕は旅を続けていると思います。
僕は基本的に、一度足を踏み入れたことがある国は旅先には選びません。(タイは例外ですが)
それはやはり10歳の頃のあの感覚を求めているからだと思います。
僕はこれまで25ヶ国を訪れました。周りの人に比べたら圧倒的に多いです。「すごい」なんてよく言われます。
でも世界には195ヶ国あります。国連非加盟の国や地域も含めると250ヶ国はあるのではないでしょうか。
僕はまだたった1/10しか足を踏み入れていません。世界には僕の知らないことがたくさんあるのです。
己の力で知らない土地に足を踏み入れる。10歳の頃の気持ちのままでいるからこそ、僕はこれからも旅を続けるでしょう。
「子どもの頃は大人になんてなれないけど、大人になったら気持ち次第でいつでも子どもに戻ることができる。」
22歳になった僕はそう思っています。